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珈琲について知識が深まっていくと、今までにも増して、
より美味しく味わうことができるものです。

美味しさの向こう側に見え隠れする様々なストーリーを
ご紹介します。




コラム カテゴリ 更新日
Vol.8 珈琲の濃度 珈琲コラム 2010/02/06

美味しさには理由があります
Vol.8 珈琲の濃度

 当サイトのブレンド珈琲一覧、ストレート珈琲一覧には、各銘柄について晏煎が一杯当たり何gの豆を使い、何ccに抽出しているのかが記載してあります。たとえば、深煎りのコロンビアは1杯当たり23gの豆を使用し90〜100ccに、浅煎りのジャマイカは1杯当たり13gの豆を使用し160〜180ccに抽出します。このように銘柄によって抽出濃度は異なり、コロンビアは濃厚、ジャマイカは淡泊と判断することができます。実際の豆の外観を見てみますと(豆の画像も掲載しておりますので、ご覧下さい)、コロンビアは褐色の表面に深煎り豆特有のコーヒーオイルが浮き上がり、見るからに苦味がしっかりしているという印象です。ジャマイカはきつね色からやや茶色がかった程度で、苦味は穏やかであろうことが推察されます。
 これまで、お客様との対話の中でよく耳にした言葉があります。それは、「浅煎りは味が薄そうだから豆をたっぷり使い、深煎りは苦味がしっかりしているから豆を少なめに使う」というものです。晏煎のレシピとは全く逆の淹れ方です。ひとことで言えば浅煎りは濃厚に、深煎りはあっさりと淹れるということになります。このような豆の使い方、淹れ方をするとどうなるのかと申しますと、濃厚に淹れた浅煎りの珈琲は、エグイ、しつこい、酸っぱいという結果となり不味くて飲めたものではありません。では、深煎りの珈琲を薄く淹れてしまうとどうなるでしょうか。苦いのか濃いのかよく解らず、気が抜けてしまったビールのようで喉越しのよいものではありません。このはっきりとしない曖昧な味が珈琲の苦味である筈がない、という納得のいかぬ感想だけが不快な後味とともに残ります。
 焙煎を始めた当初、二十年以上も前のことです。美味しい珈琲を自分自身で創る、この単純明快でありながら難解極まりない課題と日夜格闘を続けておりました。コロンビアを大量に仕入れ、浅煎り、中煎り、深煎り、様々な焙煎度合に煎り分ける、また、同じ煎り具合でも強い火力と弱い火力でそれぞれ煎り上げる。更には、同じ火力であっても排気を調節するダンパーの操作をあれこれと試してみる。コロンビアをありとあらゆる手法で焙煎して様々なパターンに煎り分けていったのです。焙煎機の構造は大変シンプルです。生豆が投入されたドラムがモーターによって回転し、下からバーナーの火が当たり焙煎は進行します。その結果生じる煙をダンパー操作で逃がしてやり、燻り臭くなることを防ぐというものです。従いまして、我々焙煎家が操作する点は2つのみ、火力の強弱とダンパーによる排気の調節だけなのです。火力とダンパーを操作しながら、同じコロンビアを前述のように何十通りにも煎り分け、その後抽出したものを実際に試飲します(これをカップテストと呼びます)。どのような煎り方が望ましいのか探っていくのです。その結果、浅煎りは煎り止めのタイミングさえ誤らなければ淡泊な味わいと軽快な香りを楽しむことができました。さて、問題は深煎りです。深く煎り進むと後味の悪い苦味が引っかかるように口に残るのです。更に深く煎り込んでアイスコーヒーやエスプレッソに使えるような珈琲を目指すと結果は一段と悲惨でした。外見は黒褐色に仕上がっているのに苦味がどこかへ行ってしまって味の実体がまるで感じられないのです。つまり、深く煎り込んでいくと、あるポイントを境にしてかえって苦味に力がなくなってしまうのです。思い切って豆の使用量を2倍に増やしてみても苦味が2倍になるわけではなく、失望感が募るだけでした。
 当時発行されていた珈琲の業界誌に、いわゆる焙煎論が連載されており、その中に強く印象に残る一節がありました。「珈琲は深く煎れば煎るほど味は軽くなる」、というものです。ちょっと待て、浅煎りのほうが苦味は穏やかで味も軽いんじゃないか、と大いに疑問に感じました。その疑問は一向に疑問のまま時間だけが過ぎていったのですが、あるとき私に大きな転機が訪れました。東京の名店を訪れて、そこのご主人から焙煎について事細かにお話を伺っていると、焙煎なんてこうやりゃいいんだよとばかりに手の内を見せてくれたのです。それは私にとっては門外不出の秘伝の技とも思えるもので、畏れ多くて教えを請うことなどできずにいたのですが、私がよほど哀れに見えたのでしょうか、頑張れの一言とともに焙煎機の動かし方を教えてくださいました。店に帰った私は早速焙煎機に向かい、教えていただいたとおりに焙煎してみました。そして、一昼夜置いてカップテストです。抽出についても件のご主人はかなり多めに豆を使っておられたようで、私もそうしてみました。するとどうでしょう、その時はグァテマラを焙煎したのですが、濃厚な中にも甘味が感じられ、しつこさは一切なく、また、苦味はカドのない落ち着いたものでした。それまでの私の煎り方のものと比べますと、外見はより艶やかに仕上がりふっくらとしていました。私の珈琲が生まれ変わった瞬間です。気を良くした私は今度はコロンビアを今までに経験したことのないところまで思い切って深く煎り込んでみました。アイスコーヒー、エスプレッソに相応しい豆ができるかどうか試してみたのです。カップテストでは豆の使用量をぐっと増やして濃厚に淹れたものをアイスコーヒーにしてみました。すると冷たい珈琲であるにもかかわらず、何とトロみを感じることができたのです。ここまで来て私は長らく疑問に感じていたことがふっと氷解したように合点がいきました。
 「『正しく』焙煎された珈琲であれば味はどんどん軽くなっていく、だから、深煎りの珈琲ほど豆をたっぷり使うんだ。『正しく』焙煎してあれば味において負のイメージである『重たい』という表現をされるような珈琲はできる筈がない。苦味というと何かしら焦げてしまったような印象の悪さがつきまとうが、良い珈琲は深く深く煎り進むことによって味は軽くなっていく。そのため、深煎りの珈琲の持ち味を充分に堪能するためには豆をたっぷり使い濃厚に抽出してやるべきなのだ。そのようにして抽出された珈琲は苦味よりも、むしろ、甘味、トロみが強く感じられるようになるのだ。逆に、浅煎りの珈琲豆にはまだ『重たさ』が残っているため豆を少なめに使い、サーッと軽く淹れてやらないとしつこさを感じる珈琲に仕上がってしまうんだ。」
 焙煎の技法、即ち、火力とダンパーの操作法に金科玉条はありません。しかし、正しいか正しくないかを判断する基準は存在すると確信しております。それは「深く煎るほど味は軽くなる」という一言に集約されているように思います。冒頭でコロンビアとジャマイカの抽出のレシピをご紹介しましたが、数字上ではコロンビアは濃厚、ジャマイカは淡泊と表現されるべきですし、実際にメニューにもその旨、解説しております。しかし、これはあくまで初めての方に解り易く説明するためのものであり、私の本音(、というよりも真実)は、コロンビアもジャマイカもこの豆の使用量、抽出量が最適の濃度であり、決して濃くも薄くもないということです。
 濃い、薄いという言葉は珈琲の味の特徴を言い表すものではありません。どんな珈琲であっても豆をたくさん使えば濃い珈琲、豆を少ししか使わなければ薄い珈琲なのです。あるひとつの珈琲の個性を最も良く味わうことのできる最適な豆の使用量と抽出量を実験、検証してきた上で得られた結果が当サイトに紹介されているレシピであるとお考え下さい。コロンビアを抽出する際に23gの豆を使用すべきところを僅か1gでも減らしてしまったなら、それは薄い珈琲という結果をもたらします。
   お客様からご注文が入ったら1gの誤差も許さず正確に豆を計量し、じっくりと時間をかけて抽出すべき珈琲に対しては病的なほど神経質にポットを操り10ccごとに目盛りの刻まれたビーカーに滴下する珈琲を濃厚に仕上げる、それは豆自体の味が軽くなってしまっているからこそ、抽出の際に珈琲の旨みを全て残さず集めてやろうとする、深煎りの珈琲の本質を会得した珈琲馬鹿の愚直なまでの営みとご理解いただければ幸いです。



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