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| 美味しさには理由があります |
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珈琲について知識が深まっていくと、今までにも増して、
より美味しく味わうことができるものです。
美味しさの向こう側に見え隠れする様々なストーリーを
ご紹介します。
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| コラム |
カテゴリ |
更新日 |
| Vol.9 珈琲屋が作るお菓子 |
珈琲コラム |
2011/01/22 |
美味しさには理由があります
Vol.9 珈琲屋が作るお菓子
☆ 〜It's Not Fashionable, Just Authentic.〜
ショーケースを彩る数々のケーキ、さながら宝石のように輝きを放ち私たちの興味をそそります。色鮮やかな季節のフルーツ、思わずペロリと舐めてしまいたくなるほどにデコレートされた生クリーム……、街のケーキ屋さんのケーキは華やかさに満ち、可愛らしいものばかりです。晏煎ではそのようなケーキを作ることはできません。私たちがケーキ作りをするとき、ひとつの大きな前提があります。それは珈琲との相性は良いか、珈琲を飲みながら食べたときに心から美味しいと思えるものかどうか、ということです。
たとえば、イチゴのショートケーキのような生のフルーツを使ったケーキは珈琲とは全く相容れないように思われるのです。私たちが作るフルーツを使ったケーキは、バナナを潰して生地に混ぜ込んでじっくりと、しっかりと焼き上げたものであったり、秋から冬にかけてはシロップで煮てコンポートにした洋梨をタルトに仕上げたものであったり、また、りんごは紅玉という品種に限定してこれまたコンポートを作りクリームチーズの生地に加えて、濃厚な中にも甘酸っぱさがほんのりと香るひと品に作り上げたチーズケーキであったり、生のフルーツをそのまま使うのではなくひと手間加えることによって、珈琲の豊かな風味に融け合っていくケーキに仕上がるのです。
珈琲に相応しいケーキはどんなものだろうと考えますと、素朴なスタイルのケーキが思い浮かびます。ドライフルーツをどっぷりとラム酒に漬け込んだものを焼き上げた重量感のあるフルーツケーキ、上質のチョコレートを惜しみなくふんだんに使ったガトーショコラ、クリームチーズを贅沢に配合したこってり濃厚なチーズケーキ…。これらに共通する点は、見た目には何の飾りつけもされてはいないものの、吟味して厳選した素材の持てる力を存分に引出したものであるということです。
味は素材の良さと作り手の技術で決まります。であるならば、必要以上に飾り立てることはせずに素材を見極める目を養い、上質の物だけを選び抜き、そして、ひたすら丁寧に丹精込めて作り上げることに専念する、このことを昭和６３年の創業以来変わることなく守り続け、お客様へのお約束としてまいりました。It's Not Fashionable, Just Authentic. 流行りの物には敢えて背を向け本物だけを追い求める、地味ではあっても、そして、ゆっくりではあっても目指すべきところを見失ってはならぬと信じてやみません。
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